不妊症って何?もしかしたらと思ったら知っておくべき不妊基礎知識

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結婚して子供を望んでいるのになかなか妊娠できない「不妊」に悩む方も多くなっていますが、実際どのような状態であれば不妊症というのか、ご存知でしょうか?今回は、不妊症について、原因や検査法・治療法など知っておきたい基礎知識をご紹介します。

 

不妊症って?

「不妊症」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、不妊症とはどのような状態のことを指しているのか、正確にご存知でしょうか?

通常、生殖機能に問題が無いとされる夫婦が妊娠を希望して夫婦生活を送っている場合、3か月以内に妊娠する可能性が50%、半年以内に妊娠する可能性が70%、1年以内に妊娠する可能性が80%、2年以内に妊娠する可能性が90%といわれています。「結婚して妊娠を希望している夫婦が避妊をしないで夫婦生活を送っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない場合」を不妊症といいます。

現在、不妊に悩む夫婦は10組に1組以上いるといわれているほど不妊症が知られていますが、どのような原因によって不妊症になるのか、詳しくご紹介します。

 

不妊症になる原因は?

不妊症は主に女性側が原因と思われがちですが、男性側・女性側・もしくはその両方ともに原因があると考えられています。

 

女性側の原因

女性側が原因で不妊症になる場合をご紹介します。

 

1.排卵に問題がある

生理が25~38日の一定の周期であり、基礎体温が2相性になっている場合は、生理の際に正常に排卵が起きているので問題はないと思われます。しかし、生理が不規則だったり基礎体温が2相性になっていないなどの場合、排卵が起きていない可能性があります。

排卵が起きない原因は高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群、ストレス、過度のダイエットなどさまざまなことが考えられますが、20代・30代の若い女性でも卵巣機能が低下している早発卵巣不全の場合があると考えられています。

 

2.卵管に問題がある

卵巣から卵子が排卵されていても、子宮まで到達するために通る卵管に問題がある場合もあります。卵管に原因がある場合としては卵管の閉塞・卵管周囲の癒着などがありますが、これらはクラミジア感染症にかかることによって発症する可能性があります。クラミジア感染症は、感染していても症状が無い場合も多いため、気付きにくい場合があるようです。

このほか、子宮内膜症でも卵管周囲の癒着がある場合がありますが、月経痛が徐々に強くなっていくという方は、子宮内膜症に罹患している可能性があります。ドラッグストア等で市販されている生理痛の鎮静剤を使用して痛みをごまかさずに、一度きちんと病院を受診するようにしてください。

 

3.子宮に問題がある

子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど、子宮に問題がある場合も、不妊症の原因としてあげられます。「月経量が多いな…」という症状で悩んでいる方は子宮筋腫の可能性があるため、ナプキンで足りないくらい月経量が多いという方も受診をおすすめします。

 

4.子宮頚管に問題がある

子宮頚管に問題がある場合、排卵期に透明で粘り気のあるオリモノが増えるなどの症状があります。子宮頚部の炎症などが原因で頸管粘液量が少ない場合、精子が子宮に到達することが難しくなるため、不妊の原因になると言われています。

 

5.免疫異常

免疫異常が原因で、精子に対する抗体を持っている女性もいます。抗精子抗体を持っていると、精子が子宮内や子宮頚管に到達するのを妨害したり、精子と卵子が受精するのを妨害してしまうため、人工授精等でもなかなか効果が得られない場合もあるようです。

 

6.原因不明

不妊症の検査をして原因が判明しない場合を原因不明不妊といい、不妊症の1/3の割合を占めるとされています。原因不明不妊とされる不妊症の1つとして加齢があげられるため、結婚する年齢が高くなっている現代社会では多く見られます。

 

男性側の原因

男性側が原因で不妊症になる場合をご紹介します。

 

1.性機能障害

EDや膣内射精障害など、ストレスや動脈硬化・糖尿病などが原因で何らかの性機能障害がある場合があげられます。

 

2.精液性状低下

精液中の精子の量が少ない場合や、運動率が低い場合を精液性状低下といい、不妊症の原因の一つとされています。このほか、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症や停留精巣の手術後、おたふくかぜによる耳下腺炎性精巣炎でも精液性状低下が起こる場合があります。

 

3.無精子症

精液の中に精子が全く見られない状態が無精子症ですが、精巣内で精子が作られている閉塞性無精子症もあります。閉塞した精路の再建をしたり、顕微授精をすることによって妊娠する可能性があります。

 

気になる場合は検査にいく!

不妊症かな?と思ったら、検査に行くことがおすすめですが、不妊症の検査はどういう事をするのか不安がありますよね。不妊症が疑われる際、どのような検査をするのかご紹介します。

 

ホルモン検査

ホルモン検査は血液を採取することによって行う検査で、生理が始まってから3~5日目と排卵の少し前の時期の2回行います。月経周期で女性ホルモンの分泌量は大きく変動することが知られていますが、生理開始から3~5日目に行う事によって基礎となる値を確認することができます。また、排卵の少し前に行う事でエストラジオールと黄体化ホルモンの値が分るので、いつ排卵が起こるかを予想することができます。

 

超音波検査

専用の細い超音波の機械を膣の中に挿入することで、卵巣や子宮の状態を確認する検査です。子宮筋腫や子宮腺筋症がないか、卵巣嚢胞がないかなどの確認ができます。

排卵の前後でも超音波検査を行い、卵巣にできている卵胞の大きさや数を計測して排卵日の予測や、排卵がきちんと起こっているかどうかの確認も行います。

 

粘液検査

粘液検査とは、子宮頚管の分泌物である頸管粘液を調べることによって、排卵日前後で頸管粘液の粘度が変化しているかどうかを確認する検査です。

 

精液検査

自宅あるいは病院で精液を採取し、顕微鏡で調べる検査です。精子濃度や運動率・奇形率を調べることができます。

 

不妊治療の方法は?

不妊症かどうかの検査を行い、妊娠できない原因が判明した場合、どのような治療を行っていくのか…ですが、タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精という順番で行っていくのが一般的とされています。それぞれの方法についてご紹介します。

 

タイミング法

タイミング法とはどういう治療方法なのかというと、排卵日を超音波検査や尿検査で黄体化モルモン値を調べることによって推定し、排卵日の2日前から排卵日当日に夫婦生活を行うという方法です。基礎体温を付けていれば排卵日の予測がしやすくなるので、妊娠を希望する場合は基礎体温を付けることをおすすめします。

 

人工授精

人工授精は、精液から運動率のいい精子を洗浄・回収して、排卵日2日前から排卵日当日の子宮内に人工的に注入することによって妊娠を促す方法です。人工授精によって妊娠したという方のうち約80%が7回目までの結果を得られているので、この回数前後が人工授精を行う目安とされているようです。

 

体外受精

体外受精は排卵前の卵子を体外に取り出し、培養液の中に精子浮遊液を加えることで精子と卵子の受精を体外で行う方法です。受精が起こり、正常に細胞分裂を繰り返した胚を体内に移植することによって妊娠率が上がるので、2~5日程度体外で受精卵を培養した後、体内に戻します。

 

顕微授精

顕微授精とは、精子を入れた細いガラス針の先端を、顕微鏡下で卵子に直接注入して受精を行う方法です。体外受精でも受精が成立しない場合に行われ、男性の精子濃度や運動率が低い場合に選択されます。

 

気になる方は早めの受診を

子供が欲しいと思っても、なかなか妊娠することができない不妊症。病院で検査した方が良いのかどうか悩むけれど、どんな検査をするのかもよくわからない…と放置してしまう方もいらっしゃると思います。ですが原因をしっかりと知り、適切な治療法を行う事で妊娠する可能性があるため、気になる症状がある方は早めに受診するようにしてくださいね。