【卵巣嚢腫の治療法】早期治療で手術リスクを回避|痛みは我慢しない

腫瘍

卵巣嚢腫は女性に発生する腫瘍の中でも多く見られる症状です。しかし、自覚症状が現れにくい特徴があるため、かなり進行してから気付く場合が多いようです。早期治療をして手術のリスクを軽減するためにも、正しい知識を把握しておきましょう。

 

卵巣嚢腫の症状とは

卵巣嚢腫の症状は初期の段階ではわかりにくいと言われています。以下のような自覚症状が現れた時には卵巣が腫れ上がるほど進行している場合が多いです。

 

 

チクチクとした軽い痛み

卵巣に何らかの異常があっても症状が現れにくいと言われていますが、下腹部にチクチクした痛みを感じる場合は卵巣嚢腫の可能性も考えられます。生理痛のような鈍痛とは異なり、チクチクとかピリピリという表現が卵巣の痛みの特徴です。

あまり激しい痛みではないので大した問題ではないと軽く考える方もいますが、この段階できちんと検査を受けておけば手術リスクを回避できます。

 

原因不明の発熱

熱が出るということは体に何らかの異常が発生しているのだと考えられますが、特に思い当たる異常もないのに発熱が続くという場合には卵巣嚢腫の可能性も考えてください。発熱だけで卵巣嚢腫を疑うのは難しいかもしれませんが、下腹部の痛みやぽっこりと膨らんでいる状態が確認できる場合には卵巣嚢腫の可能性が高くなります。

速やかに医師の診察を受けることで原因がはっきりわかりますので、放置せずに病院へ行きましょう。

 

卵巣嚢腫茎捻転(けいねんてん)

卵巣に異常が生じるとチクチクとした痛みを感じるのですが、その痛みよりも何倍もの痛みを伴う卵巣嚢腫茎捻転を引き起こす可能性もあります。これは卵巣を支えているはずの靭帯が捻れてしまう症状で、卵巣嚢腫が進行して肥大化したことで重さに耐え切れなくなって捻れてしまうのが原因 で起こります。

チクチクした痛みや発熱が現れた段階で検査しておけば発症を防げますが、放置したまま過ごしていると茎捻転を引き起こすリスクが高まり、卵巣の壊死にも繋がります。

 

卵巣嚢腫は4パターンある

卵巣嚢腫とは卵巣にできる良性の腫瘍のことですが、症状別に細かく分けると4種類存在しています。

 

漿液性嚢腫(しょうえきせいのうしゅ)

卵巣嚢腫と診断される方の中でも最も多い症状です。サラサラした漿液と呼ばれている液体が卵巣の中に溜まっています。

 

チョコレート嚢胞(のうほう)

元々は子宮内膜症が原因で発症しやすいと言われています。既に子宮内膜症と診断されている方は注意が必要です。

 

粘液性嚢腫

若い世代の女性よりも、閉経後の女性に多く見られます。ネバネバしたゼラチン質の液体が卵巣の中に溜まっています。

 

皮様性嚢腫

10代から30代の若い女性に多く見られるもので、人間の元になるはずの細胞が半端な状態に成長してしまい腫瘍化したものです。

 

検査方法と治療法

卵巣嚢腫と疑われる場合には詳しい検査を行い、適切な治療を行います。必要に応じて手術を行なう場合もありますので、異変を感じたら早めに婦人科へご相談ください。

 

検査方法

卵巣嚢腫の検査で行われることが多いのは超音波検査です。膣から超音波を発する細い管を入れて、卵巣の様子を確認します。これは初期の妊婦健診で行われる超音波検査と同様の方法になります。ただし、かなり症状が進行して卵巣が肥大化している場合には、お腹の上から行なう超音波検査が実施される場合もあります。

 

この他にCTやMRIによる画像診断を実施しながら腫瘍の状態を確認し、腫瘍マーカーの数値を確認して良性の腫瘍である卵巣嚢腫か、悪性の腫瘍である卵巣がんなのか確認します。正確な診断は手術を行って摘出したものを病理検査する流れになります。

 

治療方法

検査の結果、良性の卵巣嚢腫と診断されて腫瘍のサイズもかなり小さくて症状も重くない場合には、経過観察になって定期的に検査を実施する場合もあります。腫瘍が大きくて茎捻転を引き起こす可能性が高いなどと考えられる場合には、摘出手術が選択される場合もあります。

 

手術を行なう場合にはどこまで切除するのか判断が非常に難しいです。腫瘍だけを取り除けるのか、片方の卵巣だけを取り除くのかなどの治療方針については、医師と患者さんがしっかり話し合いながら決めることになります。

 

手術

卵巣嚢腫の腫瘍が大きいなど手術が必要と判断された場合には、開腹手術か腹腔鏡下手術のどちらかが選択されます。腫瘍がかなり大きいとか、癒着をしていると考えられる場合には開腹手術が行われます。

腫瘍が10センチ以下の場合には腹腔鏡を使って腫瘍を摘出することもでき、開腹手術よりも患者さんへの負担が少ないというメリットはありますが、手術ができる病院は限られています。

 

手術費用についてはいずれの場合も15万円から20万円程度と言われていますが、症状や病院によって入院期間が異なるので事前に確認しておくと安心です。

 

不妊のリスク|妊娠できる?

卵巣嚢腫にり患すると、赤ちゃんができにくくなるのではないかと不安を感じる方も多いです。妊娠を希望している女性にとっては非常に心配な事ですが、必ずしも不妊に繋がるとは言えません。

 

不妊のリスクが高い人と妊娠できる人の違い

卵巣に良性とはいえ腫瘍があると聞けば不妊に繋がるのでは?と考えるのも無理はありませんが、実際に卵巣嚢腫と診断された方の中にも無事に出産している女性がたくさんいます。元気な卵子を作り出すことができ、無事に子宮まで辿り着く環境が整っていれば、卵巣嚢腫と診断されても妊娠する可能性は十分あります。

 

ただし、以下の条件に当てはまる方は不妊のリスクが高くなると考えられます。妊娠を希望しているのになかなか妊娠できない場合は医師に相談することをおすすめします。

 

  • 40歳以上の女性(年齢の関係で卵子の元にある原始卵胞が減るため)
  • チョコレート嚢胞(卵管や子宮が癒着しやすいので卵子が子宮まで辿り着きにくいため)
  • 卵巣が肥大化し過ぎている(妊娠できても茎捻転を引き起こすリスクが高いため)

医師に相談をして適切な治療がおすすめ

卵巣嚢腫は女性にとって大事な臓器である卵巣の病気で妊娠にも大きく関わるため、腫瘍といっても良性だから大丈夫!と楽観視してはいけません。少しでもおかしいなと感じる症状があるなら、早めに医師に相談して正しい治療を開始しながら卵巣嚢腫と上手に付き合いましょう。