子宮頸がんは早期発見を!手遅れになる前に確認すべき症状

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女性特有の病気である子宮頸がんですが、2014年の統計によると、子宮頸がんで亡くなる方は年間約2,900人に上るとされています。早期に発見することで比較的予後が良いとされる子宮頸がんですが、その症状や検査方法・治療法についてご紹介します。

 

若い女性に増える子宮頸がん…理由や原因は?

子宮頸がんというと、以前は40~50歳代の年齢で発症する方が多い疾患でしたが、近年20~30代の若い女性で子宮がんを発症する方が増えてきています。

 

子宮頸がんの原因はウイルス感染!

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスに感染することによって発症します。ヒトパピローマウイルスは、性交渉をすることで感染するウイルスですが、感染しても2年以内に約90%の人は免疫によって症状がないうちにウイルスを排除することができるとされています。残り約10%の人ではウイルスの排除ができずに長期感染し、細胞のがん化が生じることによって子宮頸がんを発症します。

 

子宮頸がんの主な症状

子宮頸がんは、初期の段階ではまったく症状がなく、進行するにつれて症状が出現します。症状が現れる前に検診等で早期発見することがおすすめですが、子宮頸がんを発症した際に生じる症状をご紹介します。

 

痛み

子宮頸がんはある程度進行してしまうと、下腹部痛や腰痛などの痛みを感じることがあります。陣痛のような激しい痛みを生じる段階になると、がんがかなり進行してしまっている状態になるので、気になる痛みを感じる場合は、早めに受診するようにしてくださいね。

 

出血

子宮頸がんの初期症状として、性交時の出血や不正出血があります。がん細胞は出血しやすいため、性行為の際の刺激によって出血をする可能性が高くなります。また、生理以外の時期に不正出血が見られる場合も多いので、普段と違う症状が現れたら、病院を受診するようにしてください。

 

おりもの

おりものは、健康な人でもありますし、ホルモンバランスの変化によって量や匂いが変化するものですが、子宮頸がんを発症しているとホルモンバランスや生理の時期に関係なくおりものの量が増えることがあります。粘膜が炎症を起こすことによっておりものが増えるので、ちょっと量が増えたかも…と思ったら、病院を受診されるといいですよ。

 

におい

子宮頸がんが進行すると、がん細胞が壊死したりすることでおりものの匂いがきつくなったり、悪臭を感じることもあります。おりものの匂いが気になりだした場合も、早めに受診されるようにしてくださいね。

 

検査方法と治療法

子宮頸がんは早期で発見することで予後がいいとされる疾患ですが、その検査方法と治療方法についてご紹介します。

 

診察と検査は婦人科で行う

子宮頸がんの診察と検査は、婦人科で行われます。

診察と検査の流れをご紹介します。

 

  1. 問診

まず行われるのは問診ですが、問診では月経周期や生理痛、性交渉の経験や流産・中絶・出産の経験、閉経している場合は閉経年齢などを確認します。

  1. 内診

子宮頚部やおりものの状態を確認し、専用の器具を用いて子宮頚部の細胞を採取します。痛みはほとんどありませんが、少し出血することがあります。採取した細胞の診断結果は、通常2~3週間程度で分かります。

 

治療法はステージやクラスで違う

子宮がん検診を受け、診断結果がクラス3A以上の場合、精密検査や治療が奨められます。まずは、診断結果についてご紹介します。

 

クラス 検査・治療法
クラスI 正常細胞 定期検診
クラスII 異常な細胞を認めるが、良性 定期検診
クラスIIIA 軽度・中程度の異形成を疑う コルポ診
クラスIIIB 高度異形成を疑う コルポ診を行い、場合によっては円錐切除術
クラスIV 上皮内癌(0期)を疑う 円錐切除術もしくはそれ以上の切除
クラスV 子宮頸がん(浸潤がん)を疑う 子宮摘出など

クラスIIIA以上の場合、精密検査が奨められますが、クラスIIIAの段階でがんが見つかる割合は5%程度となっています。また、クラスIIIBでがんが見つかる割合は50%とされています。

クラスIIIA以上と診断された場合に必要となるコルポ診についてご紹介します。

 

【コルポ診】

クラスIIIA以上と診断された場合、コルポスコープという膣拡大鏡を用いて子宮頚部の組織を拡大し、詳しく観察します。3%の酢酸を子宮頚部に塗布し、組織の白濁する程度の違いや白濁の消えていく時間の違いから病変や浸潤度合いを推定することができるので、コルポ診で異常が発見できた場合には、その部位の組織を切除します。

 

手術の場合は

子宮頸がんのクラスがIV以上の場合、手術の適応となりますが、手術法は円錐切除術もしくは子宮摘出のどちらかが適応されます。

 

【円錐切除術】

円錐切除術は、子宮頚部の病変部分を円錐形に切除する方法です。レーザーメスを用いるので、少ない出血量で済みます。また、円錐状に切除した部分の組織を調べ、病変がきれいに取り除かれているかどうか診断します。子宮が温存されるので、術後の妊娠・出産にはほとんど影響がないとされています。

円錐切除術は、入院期間が数日から1週間程度、費用が25万円前後かかる手術法になります。

 

【子宮摘出】

円錐切除術で病変をとり切れない場合、子宮全摘術が行われます。

子宮だけを摘出する単純子宮全摘出術と、子宮と膣を含めてリンパ節まで広い範囲で切除する広汎子宮全摘出術があります。

単純子宮全摘出術は、入院期間が15日程度、費用が約80万円程度かかり、広汎子宮全摘出術は入院期間が15日程度、費用が約120万円前後の手術法になります。

 

子宮頸がんの予防接種は必要か

ヒトパピローマウイルスの感染を予防するため、ヒトパピローマウイルスのワクチンを接種することが推奨されていますが、接種後に湿疹や慢性疼痛を訴えるケースがあり、現在日本では積極的なワクチン接種の呼びかけは中止されています。

小学6年生から高校1年生で3回接種が推奨されている子宮頸がんワクチン。ワクチン接種のリスクや予防接種を受ける際の判断基準についてご紹介します。

 

ワクチンのリスク

子宮頸がんを予防する効果が期待できる子宮頸がんワクチンですが、発熱や摂取部位の痛み・腫れ、失神などの軽度な副反応と、アナフィラキシーショックやギランバレー症候群、急性散在性脳髄膜炎などの重篤な副反応を起こす可能性があります。また、複合性局所疼痛症候群を発症する場合がありますが、その発生率は乳幼児期に接種するヒブワクチンや日本脳炎ワクチンなどと同等もしくは少し高い程度とされています。

 

予防接種を受ける判断基準は?

2013年以降、日本では積極的なワクチン接種の呼びかけは中止されていますが、子宮頸がんのワクチンを接種することで子宮頸がんの50~70%の原因となる2種類のヒトパピローマウイルスの予防に効果があることが証明されています。ワクチン接種をすることによるリスクと、予防接種を受けることによって予防できる効果を考慮して、予防接種を受けるかどうか判断されるといいですよ。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?子宮頸がんは定期検診を受けることでがん化する前に治療を開始することができる疾患です。性交渉の低年齢化などの原因により、罹患年齢の低年齢化が進んでいますので、若いから大丈夫と思わず、定期的に検査を受けるようにされてくださいね。